2020年11月2日
社会理論学会は、日本学術会議第25期の発足にあたり、新会員候補105名の
うち6名を内閣総理大臣・菅義偉が任命拒否したことに強く抗議する。
そもそも任命の権限とは任命することのみをさすのであって、仮に任命拒否
の権限があるとしても、選考に立ち入れば、日本学術会議法17条にある日本
学術会議の選考権を侵害する。
任命拒否された6名は特定秘密保護法や安保法などに反対していたと言われ、
「政府の意に反した意見を表明したため、任命拒否されたのではないか」という
疑念が持たれている。
このような疑念を払拭しないまま、内閣総理大臣の一部任命拒否を認めれば、
それはそのまま内閣総理大臣の選考権を認めることにつながり、違法性は明ら
かである。
にもかかわらずそれを推し進めるのであれば、今後、研究者は政府の意を
「忖度」するようになり、日本国憲法が保証する学問の自由、思想・信条の自由
および言論・表現の自由は有名無実となろう。
したがって内閣総理大臣・菅義偉は任命拒否した6名を即時任命し、今後この
ような事態を再び招かないために、6名のみが任命拒否された経緯を早急に明ら
かにすべきである。